Web3プライバシーガイド

Web3であなたの情報は誰のもの?大切な個人情報を守る基本のき

Tags: Web3, プライバシー, 個人情報, データ主権, セキュリティ

インターネットの新しい波「Web3」と私たちの情報

私たちが毎日使っているインターネットは、私たちの生活を豊かにしてくれました。しかし、その一方で、「自分の個人情報がどこで、どのように使われているのか心配」「オンライン詐欺に遭わないか不安」といった気持ちを抱く方もいらっしゃるかもしれません。

これまでのインターネットでは、私たちの情報は、GoogleやFacebookといった大きな会社(サービス提供者)が管理する「大きな金庫」に預けられているようなものでした。便利である反面、その金庫の管理者に何かあったときに、私たちの情報がどうなるのか、少し不安に感じることもあったかもしれません。

「Web3(ウェブスリー)」という新しいインターネットの形は、この「情報の持ち主」についての考え方を大きく変えようとしています。今日は、Web3が私たちの情報をどのように守ってくれるのか、そして私たちが何に気をつければ良いのかを、なるべく簡単な言葉でご説明します。

Web3で変わる「情報の持ち主」という考え方

Web3では、あなたの情報や、インターネット上での活動の記録は、特定の大きな会社に預けるのではなく、「あなた自身が持つ自分だけの情報庫」に保管される、とイメージしてください。これは、まるで自分だけが持っている特別な鍵で開けられる、自分専用の金庫のようなものです。

この「自分だけの情報庫」は、たくさんの人が見守る「透明な記録帳」のような仕組みで動いています。例えるなら、地域の皆さんで持ち寄った、みんなで見ることができる大きなノートのようなものです。誰かが何かを書き込もうとすると、みんなで「本当にそれで合っているか」を確認し、一度書かれたことは、後から簡単には書き換えられないようになっています。

これにより、私たちの情報が、特定の会社の一存で消されたり、勝手に変えられたりする心配がぐっと減ります。つまり、あなたの情報は「あなた自身のもの」という考え方が、より強くなるのです。

なぜWeb3は、私たちの情報を守ることに役立つのでしょうか

Web3の仕組みが、私たちの安心に繋がるのは、主に次の3つの理由からです。

  1. 情報がみんなで見える(透明性) Web3の世界では、情報の記録が、まるでガラス張りのように、みんなで見えるようになっています。もちろん、誰がどんな情報を持っているかという個人的な内容は隠されていますが、「いつ、誰から誰へ、どんな情報が動いたか」という流れは、いつでも誰でも確認できます。これにより、不正な動きがあったときに、すぐにみんなで気づき、対処しやすくなります。

  2. 一度書かれた記録は変わりにくい(改ざんされにくい) 先ほど例えた「透明な記録帳」は、一度書かれた内容は、後からこっそり書き換えることがとても難しい仕組みになっています。これは、もし誰かが悪いことをしようと記録を変えても、他のたくさんの記録と合わなくなり、すぐにバレてしまうからです。このおかげで、大切な情報が勝手に変えられたり、消されたりする心配が少なくなります。

  3. データが一か所に集中しない(分散性) これまでのインターネットでは、私たちの情報は、大きな会社のサーバーという「一か所」に集められていました。もし、そのサーバーが攻撃されたり、故障したりすると、多くの人の情報が一斉に危険にさらされる可能性がありました。 Web3では、情報がたくさんの場所に分散して保管されています。例えるなら、たくさんある図書館に、本が分かれて置いてあるようなものです。たとえどこか一か所の図書館に何かあっても、他の図書館が無事なので、大切な情報がすべて失われる心配が減るのです。

これらの特徴により、Web3は、これまでのインターネットよりも、私たちの情報を安全に保つための、新しい可能性を秘めていると言われています。

大切な個人情報を守るための具体的なヒント

Web3が持つ新しい安心感は魅力的ですが、私たち自身も、これまで通り注意すべき大切なことがあります。特に次の2つのポイントは、Web3の世界でも非常に重要です。

1. 「秘密の鍵」を絶対に誰にも教えないこと

Web3の世界では、あなたの「自分だけの情報庫」を開けるための「秘密の鍵」があります。これは、銀行の暗証番号よりも、もっとずっと大切なものです。この鍵を誰かに知られてしまうと、あなたの情報がすべて危険にさらされてしまいます。

この「秘密の鍵」は、あなたのデジタルな財産を守るための、最後の砦だと心得ておきましょう。

2. 不審なメッセージやサイトには、これまで以上に注意を

Web3の世界でも、インターネット詐欺は存在します。巧妙な手口であなたの「秘密の鍵」を聞き出そうとしたり、偽物のサイトに誘導して情報を盗もうとしたりする悪い人たちは残念ながらいます。

まとめ:Web3で安心なデジタル生活を送るために

Web3は、私たちの個人情報を守り、より安心できるデジタル生活を送るための、新しい仕組みを提供してくれます。これまでのインターネットのように、大きな会社に頼りっぱなしにするのではなく、私たち自身が自分の情報の持ち主として、管理していく考え方が基本となります。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、「自分だけの情報庫と秘密の鍵」というイメージを持って、基本的な注意点を守ることから始めてみませんか。 Web3の知識を少しずつ身につけることで、インターネットをさらに便利に、そして安心して使いこなせるようになるでしょう。